しゃちょログ担当田中です。

本日は、真菰の関してです。
東アジア原産の多年草イネ科(マコモ属<ジザニア>)植物。
水中・水際に群生し葦やガマと似た水生植物で稲と同様に穀物としての歴史も古い。
日本では栽培種と野生種があり、栽培種は黒穂菌(クロボキン)という菌に寄生されると
茎の根元の部分が肥大化して竹の子状になります。
この株の部分20センチほどを「まこもだけ」といい、ここを収穫し食用にします。
また野生種は、黒穂菌(クロボキン)が寄生しない為、「まこもだけ」は出来ずその
かわり稲と同様に穂が出来、実が実ります。近年この穀物が「ワイルドライス」という
名前で健康食品として注目されています。

文庫革に使用するマコモの粉は、黒穂菌(クロボキン)に寄生された栽培種のもので、
肥大化した茎をそのまま収穫せずに放置しておくと、その葉鞘の中に黒穂胞子が充満
します。
これを葉鞘ごと乾燥させたものが漆店で販売されている真菰です。この胞子は、非常に
粒子が細かく葉鞘がはじければ、ずっと霞状に空気中に漂うほどです。江戸時代
には、この黒穂胞子を油で溶きお歯黒にしたり、現在では漆工芸の鎌倉彫の古色を
つける工程で用いられています。

昭和30年代までは水生植物としての真菰はどこの河川の岸辺にもあるポピュラーな
植物でしたが、行政による護岸工事によって年々数が減り続け、馴染みの薄いもの
となってしまいました。
しかし、近年休耕田の転換作物として「まこもだけ」が注目され国産での収穫数は
増加の傾向にあります。「まこもだけ」は竹の子とホワイトアスパラの中間のような味
と食感で、刺身やてんぷら炒め物などいろいろな料理に使われています。

また真菰の名前の由来としては、古来より神事において使われる敷物(蓆)に真菰の
葉や茎を編んで使われたことからついたといわれています。

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