しゃちょログ担当田中です。

皆さん、3連休いかがお過ごしでした?
東京は、外へ出かけるのもためらうほどの、夏晴れのお天気でしたが・・・
私は、アイリッシュダンスを見に行ったり、美術館へ出かけたり、立川志の輔師匠の
落語を見に行ったりと珍しくアクティブに動いておりました。

特に、根津美術館の「いのりのかたち」展は、またまた楽しめました。
http://www.nezu-muse.or.jp/jp/exhibition/index.html

Mandara

今回は私の仕事的に参考になるという展示ではありませんでしたが、宗教画(仏教画)
のあれこれは、とても興味深く日本画的でありながら日本人離れしたその容姿は
インド発祥の仏教の奥の深さを感じます。

今回も大日如来、阿弥陀如来、不動明王、愛染明王、大威徳明王、弥勒菩薩、地蔵
菩薩盛りだくさんでしたが・・・
如来、明王、天、菩薩って何?ってのが少し解らないとお楽しみも半減です。
細かく詳しくわかる必要は無いと思いますが、チョッとだけ整理できていればOKです。

●如来とは・・・
悟りをひらいた者、解脱した者、仏を意味します。
仏様=お釈迦様と思っている人も多いかと思いますが、お釈迦様はいわゆるブッダ
釈迦如来でいろいろいる如来の中の1人です。

●菩薩とは・・・
まだ悟りをひらくに至っていない修行中の者を意味します。
如来のお供の者というイメージも強く、釈迦三尊は普賢菩薩と文殊菩薩を従えている
し薬師三尊は日光菩薩と月光菩薩を従えているし、阿弥陀三尊は観世音菩薩と勢至
菩薩を従えている。
特に弥勒菩薩は釈迦入滅から五十六億七千年後に如来となって、すべての世界を
救済するといわれる「未来仏」で菩薩といえども、唯一私たちの未来を救えるスーパ
ースターなのです。

●明王とは・・・
密教独特の仏尊で、大日如来の命を受け、仏教に未だ帰依しない民衆を帰依させ
ようとする(かなり無理やりにでも)役割を担った仏尊を指します。その無理やりな
感じを表している外観は、忿怒(ふんぬ)の相で火炎を背負い、髪は怒りによって
逆立ち(怒髪天)法具や装飾品は極力身に付けず、法衣は片袖を破って動き易くし
武器類を手に持った姿で表現されることが多い。
もともと悪い鬼だった者が、仏教に諭され包括されて善の神となった者が多いので
その恩義を過剰に感じ、かなり無理やりに布教するイメージが強い。
暴走族のリーダーが、ある日高名なお坊さんに叱られ、諭され仏道に目覚め、子分
たちに無理やり帰依させようとドツキまわしている感じです。

●天とは・・・
梵天、帝釈天、弁財天、大黒天、四天王、など比較的身近な感じのする神ですが・・・
天部ともいい本来は、古代インドの神々で、仏教がこれらの神々を取り入れ守護神
としたものです。武神、福神、女神、に別れ七福神信仰にも見られるように、庶民的
な神様といった感じです。なぜか、くりからもんもんの刺青の意匠によく見ることが
できます。勇ましかったり、縁起がよかったり、優しかったり(母性的)日本人には
なじみやすいキャラなので、とても身近です。

と・・・まあ仏教画に登場するさまざまな者たちは、こんな感じのキャラなので、
踏まえてみてみると・・・よりいっそう楽しめます。
本来仏教も、キリスト教やイスラム教と同様、偶像崇拝禁止なのですが・・・
やはり、崇拝する対象は形にしたほうがわかり易いし、面白い!
だからこそ!すばらしい美術品がたくさん存在するのです。

注:今回の仏教のお話は、タイやミャンマー、スリランカ等の地域に伝わった南伝の
上座部仏教のことではなく、日本やチベット、中国の北伝の広義の意味での仏教
大乗仏教のお話です。チョッとふざけた書き方もしましたが、ご理解いただければ
幸いです。