しゃちょログ担当田中です。

以前、職人のことに関してこのブログでも書きました。

職人という職業 その1

職人という職業 その2

文庫屋「大関」の彩色職人たち

先日も弊社まで直接、足をお運びいただき、商品をご購入いただいたお客様が
文庫屋「大関」の仕事に興味を持たれ、30分ほど私と話をしていかれました。
「こういう仕事って私にもできるかしら?」ふと、そう思われたそうです。

もちろん、誰にでもできます。

しかし、職業として全うできるかといえば・・・かなり難しいと思います。
ちなみに、私の採用の基準を明かすとすれば・・・

やる気があるのは、当然として・・・

弊社では彩色の仕事は、若い人に職人としての独立を支援することを目的の
一つとしていますので、ある一定期間、工房で修行を重ね、スキルが一定レベル
に達した場合、本当に彩色という仕事で自立する気概と環境があるかどうか?
を判断します。

弊社に面接でいらっしゃる方の中には、前職で人付き合いにほとほと、疲れて
しまった。というかたが少なからずいらっしゃいます。

でも、そういった方が、いざ在宅で一人で黙々と彩色の仕事が出来るかといえば
そうでもないようです。確かに職場での人付き合いは、ストレスが溜まることも
多いですが、逆に助けられていることも多いはずです。
マイナス面にばかり目を向けて疲れ果ててしまって、一人孤独な仕事に転向して
しまうと・・・今度は、一人の孤独さに押しつぶされてしまう人が多いように
私は思います。

その点では、既婚者であったり、家族と同居していたり、一人暮らしではない人
を採用するケースが多いかもしれません。

もちろん、一人暮らしで独立している職人もいますが・・・(今年8月から)

それと意外と多いのが、デザイナーやプランナー、SEやプログラマーからの
転職組みです。皆さんに共通しているのは、自分の仕事が物として残る仕事が
したい。という希望です。

「物を作る仕事」というのは、確かに仕事の結果が物として残ります。
しかし、残ってしまうだけに責任も重大です。
長い経験に培われた、技術が必要になってきます。

いくら、感覚や感性が秀でていても、腕(技術)が熟成されていなければ何の
意味もありません。感覚や感性もとても大事なことですが、それ以前の必須条件
として、優れた腕(技術)が必要なのです。

この腕を磨く期間が、果てしなく長く、貧しい修行期間となります。

中途転職組みは、ここを耐えるのがなかなか難しいのですね!
文庫屋「大関」では、この修行期間を何とか会社の組織力で支えていきたいと
考えています。

微力なので・・・できる限りですが・・・