文庫屋「大関」藤田です
連日35度を超える暑さで、夜も冷房付けたり&消したり寝苦しい日々が続きますね

墨田区向島にある工房も猛暑の日々…(~_~;)
夏の文庫革製作はなかなかに過酷です

真夏の製作現場をみなさまにも少しご紹介しますね

こちらは何をしているかといいますと、文庫革の肝心な工程「錆入れ」ののち、マコモの粉が丁度よい塩梅に留まるよう、余分な粉を手作業で一枚一枚はらっているところです

錆入れや製作工程のくわしいご説明はこちら
https://www.oozeki-shop.com/page/124

 

マコモの粉はとっても細かくて、粉塵が室内を舞う為、窓を開けて換気をしながらやっています。ほぼ外気温と同じ環境です。この日は35度越えの猛暑日

 

粉が付きすぎると、きれいな輪郭線を出せなかったり、美しい白革部分も茶色い粉で汚れたままになってしまいます

粉を落としすぎてしまうと、輪郭線や独特の風合いが損なわれてしまうので、力の入れ具合や程度が難しいのです

 

綿棒やカッター(刃の先端で粉やごみを払う)なども使って、細かいところまで念入りにチェックをしています🔍🔍

みなさん頭や首に手ぬぐいを巻き、噴き出す汗をぬぐいながら、細かい作業に集中しています

 

錆入れのときに使う(まこもを留めるための接着剤の役割をしてくれます)は、高温多湿で早く乾燥する性質があるので、夏は早く乾燥してしまうのです。
毎日の温度や湿度を見ながら、漆の濃度を調整して製作しています

「ひとつひとつ筆で手塗り」の部分が華やかで注目されがちな文庫革ですが、手塗り後の錆入れ部分も時間と手間をかけています

この後、しっかりとコーティングをかけて、丁寧に入れたマコモの粉が落ちないように仕上げています

革や漆など自然のものを使っているので、同じものがふたつとないのが文庫革の面白いところです
暑さの中でも文庫革製作は毎日続いておりますよ