文庫革のスタートは「牛」
文庫屋「大関」の田中です
ランドセル姿の小学生が歩いているので 夏休みなのに???
と思ったら、今日から9月ですね
実は先日、文庫屋「大関」の文庫革の素材「牛革」をいつも作ってくださっている
姫路のタンナーさんへ行ってきました。
タンナーとは、鞣し工場のことです。
平成の大修理を終えた白がまぶしい「姫路城」 ここから更に電車と車で40分ほど・・・
「なめし革」のことを、特別な物のように思っている方も多いと思いますが、動物の皮は「鞣し」を経て「革」になるので、私達の身の回りにある「革」はすべて「なめし済み」の「なめし革」です。
なめしとは、ざっくりいうと「腐らなくする」「物として加工できるようにする」といったところです。
タンナーさんには、いろいろな種類の革が山積みでした。
こちらは、皆さまもお持ちかと思われる、「文庫革」の素。
加工途中の牛さんの皮です。
乾くとバリバリになってしまうので、この暑さでも、びしゃびしゃに水気を保ったまま保管しています。。。
わたしたちのお肌と同じで、バリバリになると、どうにもこうにも使い物にならなくなってしまうと言うこと・・・
そして、この巨大なドラム式タンクの中に
↑この加工途中の革をいれて、二次鞣しに入ります。
赤や、青、茶など・・・色つきの革などは、ここで染める作業も行います。
ぐるぐると24時間以上回すこともあるそうです。
2時鞣しが終わったら干します!
イメージとしては、スイミング用品などでよく売っている、とても水気を吸うタオルなどとおなじで、はじめはどっしりと水を含んでいます。
牛の半身分のサイズですので、びしゃびしゃの毛布みたいに重たい状態なのだと思います。(さすがに持ってはいません)
水気を飛ばすためにひたすら風を送っていました。
夏なのに 熱~い 熱風です
とても暑かったです。
湿度が多いと、何日も乾かずに、お仕事が遅れてしまうのでお天気に左右されやすいということです。
そして、こちらは革を柔らかくする工程。
超速の小さな震動で揉みほぐすような機械です。
すでに鞣しの工程で、「硬く」鞣すためにタンニンを多く配合した薬液を使ったり、「柔らかく」するためにクロームを多く配合した薬液を使って、衣類の革コート用、硬い靴底用など何を作る革なのかの運命は決まっています。
ここの工程では、揉んでほぐすといった感じの微調整ができるということです。
働くお兄さん達は、みなさん筋肉モリモリでした!
こちらは最後に使うアイロンです。
アイロンと言われてピンときませんでしたが、のしいかを作ったりする時のような、「延し」マシーンに似ていました。
そもそも、まるっと立体的な牛さんの体を覆っていた皮を平らにしたいのは、人間の願望なので、気の遠くなるような多くの工程を経なければ平らになんてならないものなんです。
こちらの機械では、色つきの革の表層にカラーリングを施す作業が行われていました。
染料と顔料を使い分けて、ニュアンスを表現する「仕上げ」の作業は職人技のなす仕事で、現場の皆さんの技術と、意識の高さに驚きました!
細かな表情は、機械に頼らず、女性職人が手作業で色付けをしていました。
文庫屋「大関」同様、革のお顔を整える作業は現場の要で花形です。
(私たちが驚いた一方、お兄さん達は「文庫屋「大関」さんの工房に行ったとき、女性職人ばかりで女の人が凄い仕事やっているんですよ!!」と、文庫屋「大関」の女性職人たちのバリバリ働く姿に圧巻だったそうです♪うれしいお言葉でしたー)
※凄い=ど根性仕事、あれ、女の人できるの?おとこ顔負け!的なニュアンスでした
日頃、文庫革の部分には白の革ばかりを材料に使っていますが
同じタンナーさんで、いろいろな鮮やかな革、表情ある加工技術の素晴らしい革がたくさんありました。
タンナーさんは日本国内でもどんどん減少傾向にあるのですが、こちらでは文庫革のための文庫屋「大関」専用革の開発にご協力をいただいています。
革は、牛さんの皮膚が原料ですし、個体差もあれば、鞣しの技術や天候・気候も関わることなので、安定した革の生産がとても難しい物です。
繊細な文庫革のために、研究をご協力いただいて、とても有難いです。
みなさまのお力添えを得て、やっと文庫革作りが始まります。
8月30日の工房の屋上から!
スカイツリーに大きな2重の虹がかかりました
職人達も屋上で写真をとってますね!
久しぶりにこんなに大きな虹をみました
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