文庫屋「大関」の久保です。

今年もいよいよ、残り数日となりましたね…!
年の瀬でお忙しくされている方も多いかと思いますが、皆さまどうぞ体調を崩されませんよう、暖かくなさってくださいね🍵🧣

 

冬の工房でも、いつも通り職人たちが文庫革を作っています。

「錆入れ」の作業をする部屋では、今まさに<乱菊>束入れの錆入れ中!

 

▼華麗な手つきであっという間に真菰の粉が乗せられて、柄の輪郭線がくっきりと浮かび上がってきます。

 

▼こちらは、同じように真菰の粉が乗せられたばかりの<犬張子>。キーホルダー用の革ですね!
このまま置いておくと、白い革の部分にも粉が定着して全体が茶色くなってしまうので…

 

▼指の腹や手のひらを使って、余分な粉を丁寧にぬぐい落としていきます。

 

<犬張子>の輪郭線の太い所は、指が入って粉が取れてしまいやすいので慎重に…
100枚、200枚と後ろに控えている革たちがどんどんまわってくるので、あまりゆっくりもしていられません。
柄ごとに大切なポイントを押さえて、素早く仕上げていきます💨💨

 

▼こちらは錆入れの時に使う漆を入れるための器。
手前の器の内側、白い部分がこの器の元々の色だと思われますが、長年錆入れで使われる中で漆が何層にも重なって固まり、真っ黒な漆塗りの器に変わっていきました。
代々受け継がれる秘宝のような佇まいですね…😳

 

▼次は屋外にある、文庫革の仕上げをする作業部屋へ。
猛暑の夏も、厳しい寒さの冬も、換気のため扉を開け放っているので、この部屋での作業はかなりの体力・気力勝負になります。

 

▼革に埃やごみが付着していないか一枚一枚確認し、綿棒などを使いながら優しく付着物を取り除きます。

この革のふちにちょんちょんちょん…と塗られている絵の具は、職人がこの革を彩色する際、自分が作った色が見本と合っているか見比べるため試しに塗られたもの。

目で見て作ったままの色と、革に乗せて乾かした色では若干違うこともあるため、何度も確認して色を合わせていきます。この見極めは彩色職人の腕の見せ所🖌️

 

▼ずらりと並ぶと壮観!

 

▼春に向けて<かすみ桜>の姿も…
あたたかな春がもう待ち遠しくなってきました🌸

 

▼こうして仕上げられた文庫革は裁断作業をする部屋に運ばれ、お財布や小物に仕立てる準備をしていきます。

 

▼いくつもの工程を経て仕上げられた文庫革

 

▼裁断作業をしている隣では、型押しの作業も行われています。

 

<鸚鵡>柄が型押しされていました!
ふっくらとした鸚鵡の体と、花の立体感が美しい…✨

 

この一年、たくさんのお客様に支えられて、こうして文庫革を作り続けることができました。
いつも文庫屋「大関」をご愛顧頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。

日々目まぐるしく変わる世の中ですが、
皆さまの日常に少しでも心安らぐ時間を、文庫革を通して
これからも変わらずお届けしていきたいと思っております🌼
来年もまた一年、文庫屋「大関」をどうぞよろしくお願いいたします!

どうか皆さま、良いお年を…🎍✨

 

🎍年末年始のお休みのお知らせ🎍

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