【お客様の修理品ご紹介】50年前のめずらしいがま口
こんにちは。浅草店のかおるです。
今回はとても珍しい形のお財布の修理を承ったので、
皆様にもぜひ見ていただきたく、ご紹介いたします✨
(ご依頼主のお客さまにも快くご了承いただきました。ありがとうございます。)
ある日、浅草店に、修理のご相談にいらっしゃったお客様がいらっしゃいました。
「このお財布、大事にとっておいたんだけど、修理お願いできますか」
拝見させていただくと、スタッフが見たことのない形のお財布👀❗
大きさは天溝がま口と同じくらいの大きさですが、口金の形が変わっています。
柄は…お気づきですか?今でも人気の柄「撫子」です。
太鼓橋のようなアーチ型の口金が特徴的で、ぱっと目を引きます。
モダンでおしゃれ!
こちらは、な、なんと50年前❗に、宇都宮の百貨店でお求めになったものだそうです。
半世紀前に製作した物とは思えない、
彩色も、錆もしっかり残ったとてもよい保存状態です。
(錆とは?:型押しした革の溝に、漆でマコモという植物の粉を留めて、文庫革特有の風合いを出しています)
お話を伺ってみると、
買って2~3年は大事にお使いになっていて、
そのあとは、数十年の長い間、箱にいれて保管していたそうです。
ふと思い出し、何十年ぶりにお財布を見てみると、
内装の布の部分が、変色してしまっていました。
今回の修理は、「変色してしまった内装を、新しいものに張り替えられますか?」というご依頼でした。
今回は
★見たことのない形のお財布であること、
★現在は、作っていない形の口金であること、
(万が一、分解したときに、金属疲労など何らかの理由で壊れてしまったとき、
代わりになる物を用意することができません)
★50年という長い時間を経ているので、
革が油分や柔軟性を失っていたり劣化していた場合には、
お財布を分解した際、革が破れてしまう危険も考えられます。
分解ができるのか…?
分解が出来たとして、修理が可能なのかどうか…?
まずは実物をよく見てからのお返事になります、との職人からの返答でした。
こちら一旦お預かりして、工房の職人に見てもらいました。
50年前ですから…58歳の社長も、工房のベテラン職人も見たことのない形でした!
職人の手元にわたってから、状態をチェックし、
まずは修理費用の見積もりを出しました。
今回の修理では材料費もかかる為、
お客さまには、あらかじめ修理費用についてもご説明し、
ご了承を頂き、さっそく修理に取り掛かりました。
縫ってある糸を丁寧に切って分解していきます。
分解したものを頼りに、新しい内装用の型紙を作ります。
通常販売しているアイテムはすでに型紙がありますが、
もう、こちらのお財布の型紙はありませんので
型紙作りから始めなければいけませんでした。
手作りの型紙を元に、新しい内装を作っていきます。
表の文庫革と、特徴的な口金はそのままに、
内装は新しいものに取り換えることが出来ました。
店舗スタッフも感動の修理のお品でした❗❗
ご依頼主のお客様にも、大変喜んでいただけました。
きれいすぎてなかなか使えない🎵
とのことです。
ちなみに今の撫子はこんな色↓
※現在の撫子アイテムはこちら
https://www.oozeki-shop.com/product-group/168
今回は
★文庫革の保存状態が良好だったこと、
★加えてがま口の口金も丈夫だったこと
★修理できる熟練の職人がいたこと
この条件がそろったことで
かなり特殊なケースでしたが修理することができました。
修理に関しては、可能なことも、難しいこともございますが、
お持ちの文庫革で何か気になることがあればご相談ください。
一度、お財布を拝見させていただいて、ご相談しながらの修理になります。
また、大きいお財布を小物入れに作り替えてほしいなどの
リメイクは承ることが出来ませんのでご了承ください。
もし皆様のお宅にも昔の文庫革があったらぜひ大切にしてあげてください。
そしてぜひお店にも、ご一緒に遊びにいらしてください✨
【おまけ】
↑※こちらは彩色職人大関春子さんの私物、古いクラッチバッグです。
(今はお作りしていませんのであしからず)